「好きなものリスト」のススメ

ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中に “My Favorite Things”(「私のお気に入り」)という曲があります。曲名だけではピンとこなくても、曲そのものを聞いてみると、きっと多くの皆さんにとってなじみ深いメロディのはずです。ジュリー・アンドリュースが歌うこの曲の歌詞では、語り手の “favorite things” が次々と羅列された後に、こう締めくくられています。

When the dog bites(犬に噛まれた時)

When the bee stings(蜂に刺された時)

When I’m feeling sad(悲しい気持ちになった時)

I simply remember my favorite things(私は自分の好きなものを思い浮かべてみる)

And then I don’t feel so bad(そうすると、もうそれほど悪い気はしないの)

私は『サウンド・オブ・ミュージック』を子供の頃になんとなく見た記憶がありますが、最初から最後までしっかりと見たのは、実は最近になってからです。その時にあらためてこの耳に懐かしい曲を聴き、歌詞を読んで、その内容に深く共感できると気づいてハッとしました。

日々の生活を送っていると、誰しも嫌なことや疲れることに直面したり、モヤモヤを感じたりすることがあると思います。そのような辛い時期はずっと続くわけではありませんが、一度陥ってしまうと、なかなか抜け出すのが難しいのも事実です。
私も何度もそのようなしんどい状況に陥ったことがあり、その度に「この嫌な気分から抜け出すにはどうすればよいのだろう」と考えたことがありました。
そしてそのような時、同時に頭に浮かんだのは「自分は何をしている時が楽しいのか」という疑問です。その問いについて考えてみると、答えはすぐに導きだされました。やっぱり自分は「好きなもの」に触れている時間が一番楽しい――。
あまりにも当たり前なことに聞こえますが、日々の忙しい生活のなかで「やらねばならぬこと」や「考えねばならぬこと」に追われていると、自分が本当に「好きなもの」は案外見えにくくなっていたりするものです。

そこで、自分が触れると楽しい気分になれる「好きなもの」は一体どれくらいあるのかを認識するために、ノートに思いつくまま書きだしてみることにしました。
すると、意外にも50個以上はすぐに出てきました――私だけの「好きなものリスト」の完成です。そうやって自分の「好きなもの」をリストアップして視覚化してみると、あらためて「自分にはこんなにも好きなものがあるんだ!」と気づかされ、リストを見ているだけでなんだか幸せな気分になりました。
ちなみに私の「好きなものリスト」の最初の3つは、とても月並みですが、「映画、海外ドラマ、本」です。リストが後半に進むにつれて、もっと取り留めもない些細なもので溢れていますが、日々増えていく「好きなもの」を書き足す度に、そしてそのリストを見返す度に、私の心は躍ります。自分を形成しているのは、こんなにキラキラしたものたちなんだ、と再認識できるのです。好きなものがあるって、素晴らしい!

五月病でなんだかやる気が出ない時、不安やモヤモヤを感じた時に、自分の中から湧き出る「好きなもの」の力でそんな気分を振り払うことができるので、おススメです。
じっくり考えてみるとあなたの「好きなもの」もたくさん出てくるはずです。まずは「自分が何をしている時、触れている時に幸せな気分になるか」を考えてみて下さい。そうしてあなただけの「好きなものリスト」を作ってみると、前述の歌詞にあるように、「もうそれほど悪い気はしない」状態になるはずです。

あなたの “favorite things” はいくつ出てきますか?